詩人:甘味亭 真朱麻呂
今の世界にほとほと嫌気がさしたから
地球に針を刺してパンクさせてやるよ
昔ほどは嫌いではないけどその分退屈すぎて仕方ないから
地球に針を刺して最後のときには歌を捧げるよ
この追悼のバラードを
渾身の思いで響かせる
金をいくら使ってものどをつぶすくらい
叫んでも満たされないから
ありすぎる想像はやがて僕をのみこんで
なにもない暗闇に引きずり込むのさ
足から手からすべて記憶した思い出さえも
無にするように全部消してしまう
それを悲しいと思う感情すら気づいたときには目覚めない眠りの中だろう
さよならは一瞬の別れなのさ
はじめましてと出会った人の数だけさよならは涙に変わるだけさ
笑顔はつかの間でいつかみんなどんなに仲がよくたって別々の墓にはいる
そんな当たり前な悲しみがすごく憎くて
だから 地球に針を刺して 終わりにしたいんだ
こんな 毎日ビクビクしながら生きてるくらいなら
いっその事 残りの人生がたとえ待ってても行ってなんかやるもんか
僕は行かないよ
出口も逃げ道も無い世界だから
まるで広い樹海のような
迷路みたいな世の中さ
いつでも他人は僕を見下して平気で他人の僕を傷つける
同じ人間なのに
地球に針を刺すみたいに 人が森を伐採して自然を壊すように
絶滅危惧種だとわかっていてつかまえる密猟者のように地球破壊に荷担してる
自分たちの首を自分たちで絞めてるのにも気づかずに
繰り返す過ちで汚れてく たった数人の
せいでばかみたいに 紙一重で世界が死んでく 着実に壊れてく
地球に針をぶっ刺すように
地球に針をぶっ刺すように。