詩人:甘味亭 真朱麻呂
今まで物陰に隠れていて見えなかった影が月明かりに照らされて少しずつその姿を現す 夜に
君はどことなく悲しそうでけれどかといってそのわけをきくわけでもなく
虫たちが奏でてる合唱をただきいてる
それだけだったのに
それだけでよかったのになぜか君がその静寂に包まれた時間がもうすぐ終わると同時の数分に泣き出した
涙を月に流して
窓の外から月につながる電話線を切った
神様はどこだ
夢の中へ行くために眠りにつくんじゃない
眠りについたら明日になったのも同じなのさ だから今日に眠る前にさよならすますよ
眠り=夢を見る事じゃないから僕は眠っても夢を見れないんだ
夢のないただの熟睡の深い眠りの中で
色のないしかもへたくそな絵のように
挿し絵のない文章だけが窮屈に並んだ昔々の人が記した古書のように
ただ寂しいだけの眠りの中で遙か昔から現代までつづいてきたものは 僕らはかない命を持つ人とは違うから その代わり感情を持たないのかな
少しうらやましいけど過去へは巻き戻らない。縦のものが横にならないように。そのじだいに生まれた人の役に立つためだけに在るのかな
遠く揺れる未来の光 あれは本物なのかな?今はまだ わからない事ばかりだ。人生のプロなんていないんだよ
今はただ想像の中で心になるべくやさしい未来の形をそっとやさしいタッチで描きたいだけ 描くだけさ
似顔絵は下手だけど 僕には未来が確かにあんな顔に見えた 空の表情は優しげで
彼方に光る月に話しかけたの。嘘も本当のこともまだ生まれてまもない僕には難しい質問なんだ もしかしたらこのまま永遠に何十年生きてもわからない答かもしれないな
月が照らすベランダで。一昔前の人は縁側でこの月を見てたのか でもその人は此処にはいなくて。その人が消えたようにいつか僕も住み慣れた此処からも水面に映った月のように消えるかな。