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[166209] まぼろし

詩人:どるとる


ひとりぼっちの夜
夜という魔物の腹の中
たぬき寝入りの僕
希望なんてとうの昔に使いきってしまったのに
まだ辛い日々はつづくのです

小さな街灯 点在する
そんな夜道をひとり歩いてる

切ない雰囲気 揃い踏み
今度は何を言い訳にするつもりなのかな?

この夜に溶けてゆくおぼろげな意識が夢の中に流れるように吸い込まれてゆく
言葉は何も要らない
悲しいとさえ思わなくていい 本当の楽園へ行ける
目覚めてしまえば幻だと気づくけど
つかの間の安らぎを得るために僕らは
ひとときのバカンス

窓の外は雨
アスファルトを濡らす

夢の中なら
悲しみなどわからない

まぼろしの一夜が更けてゆくまで
もう少し もう少し
ここでバカンス

誰の文句も聞こえない
嫌な仕事も何もない
本当の楽園が扉を開けて待ってる

夜に溶けてゆく
意識はありもしない夢の国へ 僕を連れて行く

寝ながらにバカンス

ふしぎな夜の出来事
羽根をしまう蝶のように 食べる事も笑う事も忘れて 僕はまぼろしと戯れるのさ

踊ったこともないワルツもお手のもの

間違いなど有り得ない
何もかもが思うままになる夢の国

夜にだけ訪れるまぼろしの一夜。

2011/03/09 (Wed)
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