詩人:中村真生子
灰色の雲が広がり海も灰色。木々のところどこが赤や黄色に色づきススキとセイタカアワダチソウが並んで風に揺れている。時折、落ち葉が急ぎ足で道路を駆けていく。もうどこかに舞い降りたに違いない冬の便りが見つかりそうな朝。ふと懐かしい気持ちが蘇える。古い友に出会ったような…。足元には雪のように白い一輪のシクラメン。