詩人:望月 ゆき
けらけらと笑いあい
手をつないで
かけぬけた
日々
わたしはいつでも
ひとりでした
ほろほろと溶けて
くずれてゆく
角砂糖はキライ
シャカシャカともれる
ウォークマンの片耳
いつも「R」を貸してくれた
デパートの屋上から
音のない花火を見ながら
見送った夏
わたしはいつでも
ひとりでした
約束、のようなものは
いろんな道すがら
わたしに通せんぼをする
最後の、最後の、
砦となって
蔑んで
泣きはらし
許しあった
日々
今もなお
胸に
指の間に
首すじに
ひとりでも幸せになれたら
黄色い坂道
赤い急行列車に手をふる
青い青い夕まぐれ
やがてわたしは
ふたりでした