詩人:どるとる
僕の涙にはたいした重さはない
だけど涙を流すとなぜだか心はずしりと重くなるのさ
他人と自分の涙を天秤にかけたら
どちらが重いかな?
それは愚かなことだと誰かが言いそうな夕暮れ
真っ赤な海に沈んだ太陽を にじませてゆく涙には理由はないけれど
途方もない優しさが込められてる
そんな気がする
僕の涙も君の涙も涙には変わらない
だけど流す理由によって重さが変わる
あるはずもない重さは時に人を押しつぶす
真っ青な夜空に輝く星を数えても意味はないけど
きっと悲しみはあの星の数ほどあるから
涙を流す場面は尽きそうにない
そんな気がする
僕の涙は流れては跡形もなく 乾いて
きりもなく こぼれるけれど
確かな重さが流す人やそれを眺める人たちにも伝わるから
僕にもわかる
あなたの痛み
僕の涙にはたいした重さはないけど
きっとどんな物より重いんだ
水かさを増して やがて悲しみに溺れる僕だけれど不思議と息はできるから
悲しみの海の中で
溢れ出す涙を
強さにして
またひとつ地図上に足跡を刻むのさ
涙のような星が落ちてゆく夜
願い事など思いつかないけど
明日も平和なら
それでいいさ
僕は今日も窓を閉め
夜明けが来るのを待つように
ぬぐいきれないほどの涙を夜空にちりばめた。