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詩人:甘味亭 真朱麻呂
人生は一回きり
幾度も坂道を上ったり下ったりしてやがて
坂の終わりにさしかかる
今日も坂道を下っていく上り坂を一生懸命に上ってたのに
すぐに下る今になる
繰り返し繰り返される幾たびも
人は今日といういくつもの坂道を下り上るたび終わりへとまたひとつ近づいて
そのさみしさをいつの間にか知らないあいだに忘れて
笑えている
笑えているのに
悲しみは気が付けば消えたわけじゃなく
笑っていた時にもちゃんとあったんだな
その証が時おり瞳をこぼれ濡らすから
ささいな物言いに
いらだちを覚えて
坂道をグチりながら下る今日でもやがて
嫌々だろうと終わりに行き着く
このまま日々を繰り返し目の前の坂道で上り下りをずっと繰り返せば否が応でもたどり着くさ
喜びは数えるほどしかないけれど
悲しみはなぜかほらちょっと視線をずらしただけで目に入る
なぜだか悲しくってでも仕方ないからと目を閉じ 口をもつぐむ僕
人生でいちばん輝く日っていつだろう
こんなにも傷ついて傷を作る隙間もないくらい傷ついても
僕はまたきりもなく傷ついて涙して繰り返す事
いったい何度繰り返せば輝ける明日の扉の前に行ける?
夢の扉さえ開くことさえ出来ない僕に光はあたるのか
神が注ぎそこねたみんなに行き渡るはずの光
僕だけ…僕だけもらえずに生きる
それを気づかれもしないまま
僕はただ悲しい日々を涙流しながらも生きる 小さな明日への希望だけ抱いたまま
また巡りくる明日は日めくりカレンダーをめくるみたいに
めくるめく速度で僕をあっという間に大人に変える かっこ悪い名前ばかりの大人に変わってしまった
見つからない答
長いようで短いこの人生じゃもう在処さえ推測できない ヒントさえなくさまようばかりの今日が暮れてゆく ただどこに視点を合わせればいいのかも判らぬままただ先を急ぐ。