詩人:どるとる
ゴミ屑のような言葉をいくつでも 吐き出して
積み重ねた嘘や言い訳も全部 ブラックホールに捨ててしまおう
いくつでもいくつでも
人の営みがあるかぎり
時代は巡り
時代は訪れ
そして
いくつでもいくつでも
流行りを呼び
廃れてゆくんだよ
都会の空に月が
出ているのも当たり前なのに
なんだか
不具合感じるおかしな夜だ
青い星 白い肌
点滅する信号機
渋滞の道
行き交う人の群れ
正体不明の不安に囲まれて身動きもとれない東京の夜
時代は人々をのみこみながら やがて
終わり次の時代に変わってゆく
残るもの
廃れる流行り
時代の洋服に身を包み
時代にそぐわない歌を歌い続けるシンガーはそれでも自分の時代が来るのを信じて今夜も路上で歌い続ける
希望と慰めに満ちた歌
アンバランスな世の中に似合わない
明るい歌
歌い続ける
人は自分のことで精一杯みたいで通り過ぎてゆくけど
シンガーは気にもとめずに歌い続ける
東京の夜
時代は僕を完全に見捨てたのかな?
違う
違う
僕は信じない
疑い続ける
日々
とぐろを巻くように
希望と不安が
今 僕を包むよ
いくつでもいくつでも
人の営みがあるかぎり
時代は巡り
時代は訪れ
そして
いくつでもいくつでも
流行りを呼び
廃れてゆくんだよ
歌い続けるあいつは
今日も終わりのない夢を見てる
時代の風にあらがうように
追い風の中を突き進む 平成の夜の歌
いつか
きっと
いつか
届くさ
僕のギターは泣き声をあげるように 時には笑うように
誰にともなく歌うさ
歌うさ
僕は売れないっこシンガー
時代の風に吹かれて
流行らない歌ばかり歌い続ける日々
凍えそうな身体をふるわせながら
歌い続ける
東京の夜
聞いてくれ
俺の歌を
時代の風にかき消される 声を 声を 声よ少しだっていいジーンと響いてくれ。