詩人:黒い犬
暗闇に浮かび上がる 傷だらけの人形
信じるという事を信じ過ぎてしまったのか
もう彼の心に 未来は来ない
記憶の隙間の傷 透明に見えた筈の世界
曖昧を切り裂く暴力は 正義を掲げ
曖昧を粉々にした
なぜ世界は明るく見えたのか
なぜ彼の叫びに耳を塞ぐのか
塗りつぶす 心には声
高らかな声と かすれた声
どちらの声に向かおうか
記憶の隙間に影 透明に見えた筈の優しさ
暗闇に浮かび上がる 脆すぎる心の投影
誰の声も聞こえず 誰の優しさにも振り向かず
ぼろぼろになり 未来の大きさに消えた
2008/07/11 (Fri)