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詩人:タンバリン
どこで生まれ育ったのか
ヨークシャーテリアの犬
人なつっこくてかわいいね
おいしそうにえさを食べる
やわらかい部分がある
大福にも、僕達の心にも
恋人だったら触れてみたいね
触れさせたいとも思う
ヨークシャーテリアの犬が死んで
そのニュースで街は持ちきり
命日は突然やってきては
悲しみの代名詞に変わる
やわらかい部分があるんだ
出来事にも、僕達の心にも
感じないのならそれでいいね
触れさせたいとも思うけれど
優しい柄の毛布がひとつ
鈍感な壁の中に入っていて
青く冷たい鉛の球が
その真ん中へと落ちていく
毛布はやわらかに
いくつものしわをつくる
そしてもう、
しわだらけなんだ