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詩人:さらら
砂のよな時刻に
バスをいくつも
幾つも見送る
その窓辺に君
映るよな季節の風は
かなしみとは逆に
爽やかで
鮮やかさ余計 苦しい
砂のよな時刻は
さらさらした音色
五感に刻んで
記憶の向こう側で
微笑んでいる
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今度は砂のよな時刻では
ないんだ
死と生の背中合わせ
あのこは懸命に生きている
バスに降り乗る人たち
向かうのは時の駅
空港
いつも旅のためトランク備えて
乗らず見送る
トランクに座ったまま
乗ってしまえば
人生変わってしまう180度
まだ小さな背丈だった
あのこがバスに乗り
窓から横顔
いつしか
ラジオから流れて来る
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僕はあの頃のトランクを
どこかの駅に
忘れてしまったまま
違うカラーの新たなトランク探し求め
別方向に背を向けて
かなしみを苦にせず
生として受け止め
ずっと忘れたままの続きを
画く