詩人:NZO
腕を紅く染める人を僕は弱いと言えない
何もできない僕の方がすごく弱いから
ビルの屋上から飛び立つ人を僕は哀れだと思わない
何もできない僕の方がすごく哀れだから
相変わらず扇風機は僕に新しい風を送る
その風は僕の頬に当たり、この肩に留まった
忘れてしまったのかな?
僕は扇風機の止めて天を仰いだ
悲しみに瞳を濡らす人を僕は強いと言わない
喜びに瞳を濡らす僕の方がもっと強いから
嘘をつき笑顔を浮かべる人を僕は素敵だと思わない
苦しい時に苦しい顔をする僕の方がもっと素敵だから
相変わらず扇風機は僕に新しい風を送る
その風は僕の頬をかすめ向こうに流れた
思い出したのかな?
僕は扇風機を強め、風を身体で受け止めた