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紅の夕焼け…
貴方は背中に羽根を持った…
白銀の大きな羽根を…
私がいなければ…
私と出会っていなければ…
貴方は天に還る事は無かったのに…
紅の夕焼けに…
私の楯となり…
噴き出した鮮血は…
私の涙を一瞬にして血の涙へと変えた…
声に成らない声で…
貴方と紅に染まりながら…
咽び泣いた…
でも、貴方は還ってきてはくれなかった…
貴方は最後の力を振り絞って、言葉を遺した…
『無事で…よかった…』
どんどん冷たくなっていく貴方を抱きしめて…
ただただ、貴方に謝る事しか出来なかった…
私が奪ってしまったんだ…
貴方の未来…
貴方を信頼していた上司から…
貴方を尊敬していた部下から…
貴方とのライバルから…
私が奪ったんだ…
ごめんなさい…
今でも、焼け付くような夕焼けを見ると…
貴方が近くにいてくれているような気がして…
夕焼けに向かって
貴方に言葉をかけているよ…