詩人:クィルテット
何時かお揃いに買った玩具の指輪
今もキラキラと輝いている
僕の給料じゃあ本物の指輪を買えなくて
誤魔化す為に買った
でもやっぱり本当との差は埋まらなくて
すぐバレちゃって
馬鹿だなぁ僕、もう嫌われちゃったんだろうな
そう思った僕に
君は涙を流して喜んでくれた
僕の手を握って
ありがとう。大切にするからね
って笑顔で言ってくれた君の優しさに
自分の愚かさに
僕は泣いた
でもそんな君はもう居ない
僕が大企業の会社に入ってお金が沢山貰える様になったら、本物の純金の指輪買ってあげるから
そう言った僕に
君は首を横に振り、
そんなもの要らないよ私はこれで十分だから
と言ったね
僕は今社長だよ
でももう指輪は渡せない
今僕が居る場所から君の元へ、天の川を繋げて行けたら
僕はどんな罰も受けよう
玩具の指輪は月光に照されてピカピカと光る
空を見上げると空には乳白色に淡く光って川のように見える無数の星。
今日は君の命日。