詩人:フィリップ
1・日常の結晶
黙っているけれど
潜んだまま出てこないけれど
なんでもない日常
それが人生
茹でたパスタ
公園の子供
その顔の輝き
それだけで人は
生きていける
2・世界の結晶
アメリカはあんなに大きいのに
日本はこんなに小さくて可哀想
不平等な世界の中で私は
不平等にどんどん大きくなるのに
3・水の結晶
生命の源の水
その源って
一体何だろう
やっぱ、水なんだろうか
4・命の結晶
今あんなに考えたじゃないか
今こんなに考えてるじゃないか
詩人として僕は
言葉をこんなに
投げつけているじゃないか
結晶なんてもの
カッコつけて探ったって
何にもわからないから
飽きて止めた僕は
既に言葉の結晶を
創り出し
紡いでいた事を
まだ知らない
そうして
僕は今、覚えた
既に僕そのものが
一つの結晶となっていることを