詩人:どるとる
胡蝶が羽を開く時
朝は訪れ 僕らは舞い踊るように生き
胡蝶が羽を閉じる時
夜が朝を喰らい 僕らは暗闇の中で眠る
まぶたの外では月が夜を支配して
太陽の光は届かない
僕らはこの眠りの魔法が解けるまで
悪夢すらも受け入れて 朝が来るまで身悶える芋虫になる
真夏の夜の夢
地平の果てまで
続く 無限回廊
終わりも始まりもない旅は寝ても醒めても僕らに問いただす
おまえは生きたいのか?と
おまえは生きてるのか?と
真夏の夜の夢
幻のような炎が揺れ
舌なめずりする夜の魔物がディナーを心待ちにしている
腹におさまった朝がまた夜の胃袋をやぶり闇から這い出したその時また世界に光がもどる
一夜だけ之夢
繰り返す波のように
時は引いては満ちる
太陽と月の入り交じるこの世界の掟
縛られる事も常
縛る事も尚、常
真夏の夜の夢
寝苦しさもまた現
安らぎもまた現
胡蝶の休まる場所は地獄でも極楽でも無く
この青と緑の大地
眠りし時も又同じ。