詩人:甘味亭 真朱麻呂
恋の始まりはいつも騒がしく始まり
胸をときめかせて
だけれど終わりはいやに静かなんだ
始まりのドキドキはどこに行った
人が生まれその生涯を閉じ死ぬまでのあいだにどれだけの輝きを手に入れられるかな
腑に落ちないことも不安なこともむりやりにさよならできたらいいんだろうけど
どんなさよならにも痛みは伴うので
人はさよならしたがらないのが普通です
世界の美しさも欲望もその痛みと同じくらい知ってきたから
さよならなんてしたくない
さよならなんてしたくない
こんなところで立ち止まっていても
意味はない
だけれどなんとなく立ち止まっていたかった
そんなわけのわからない気持ちをだれかに
わかってもらおうとしたってきっとわかってはもらえない
ああ そんなもんだろう
ああ そんなもんだろう
しっかり
のばして
しっかり
ピンと張れ
しかしそんなもんとやってもみないであきらめずに
あきらめずに
さあ 進もう
さあ 行こう。