詩人:フィリップ
蕾がひらいた
未熟な朝に
僕は目を覚ました
夜を吸ったベッドの上で
君がまだ眠っている
覚えたての言葉を抱いて
笑うような表情で
藍染めの扇子
空の青さ
海の碧さ
世界の蒼さ
忘れられていく
青の言葉は
一定の温度を取り巻いたまま
捨て忘れたゴミと一緒に
散乱していた
手付かずの愛を拾う僕のすべては
日々
失われてゆくけれど
目の前に有る真実だけでも
優しく美しく
僕は幸せになれた
花がひらいた
未熟な朝に
僕は愛した
蒼の夜を越えたばかりの朝は
まだ、藍色
愛をしてる
愛してる
「を」すら取り除いた世界の中
永く続いた沈黙の後
見せてくれた
君の笑顔は
いつも、インディゴ