詩人:剛田奇作
僕らはうんちなのさ
たとえば僕が
四歳の時
ジャングルジムのてっぺんでもらしたうんち
その日お母さんはおしめを持ち帰って、家のトイレにうんちを捨てた
かわいい僕からもれた
かわいいうんちを
そう
水流にまみれながらうんちは粉々になり
どこかに行ってしまった
もちろんそれ以来
そのうんちには会っていない
いわゆる永遠の別れだ
循環して今は
空か海か土か
生物の体内か
僕らはそう
みんなうんち
きにすんな
きにすんな
百年たてばみんな死んでる
愛する人も憎い人も
神とよばれる人も
みんな地球の塵になって積もり積もり
うんちとおなじになってる
正も負も清いも汚いも淘汰された聖なる空間にいるのさ
かっこつけたって
悩んだって
威張ったって
こだわったって
いつかはうんち
どうせうんちなら
好き勝手に生きよう
イエス、アイアム
うんちの定義に決まり事なし