詩人:甘味亭 真朱麻呂
自分の心の隙間をうめる人も出来事もなくて退屈してる毎日
心の中に墓石をたてて自分の名を墓石に刻もうかな 明日
もうこうなればどうにでもなれよと僕は投げやりになって
関係ない君まで傷つけてしまった
涙で濡れた部屋にふたり 黙ったまま
ボールの中で泡立てたメレンゲみたいな日々はもう遠い昔で
今やボールはボールでもしぼんだ空気の抜けちまった紙風船みたいにかんたんにつぶれてしまうくらいやわい心の僕ら
ふたりの繋がりはこんなにもたやすかっただろうか
たださよならの言葉だけで別れられるほど安いつき合いじゃないはずだ
ふたりを取り巻く時間の船を漕いでる僕の手が震えだしたのはいつからだったかな
君のオールをまかせてくれなんていってあずかった君の人生とこれからの未来
明るい構図を描いていたのになぜこんなにも暗いんだ
光は見えない
君だって僕を信じてあずけてくれたのにそのあげくうらぎられた 残るのは言い訳ばかりさ あとはもう切なさくらいだね
行き場のない想い抱え重そうに歩く
冷たい手と手こすりあわせて 白い息を唇赤くして吐く
凍結してるアスファルトよりも
もしかしたら冷凍庫でカチンコチンに固まってる氷より冷たい心は溶ける気配もなく
あんなにも熱々だった愛はやがてさめていった
情熱や意気込みだけじゃ愛はだめだ
もし君が僕のわるい欠点を話してくれてたならもっとふたりは続いていたのかも
そしたら僕はどうとでも変えてもゆけたんだろうけど
今さらなにをいってもおそいよね
ときに愛はもろ刃の剣となり自分をつき落とすこととしった愛のこわさがわかった今では
誰かを愛すことを臆病に感じてしまう僕でもまた人を愛せるときがやってくるかなぁ
軽率に向き合っていた僕をのろっても仕方ない
どこまでも淀んだ海に潜るように破れた心の皮を縫い合わせただ時を待つよ。