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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 「ソーリー」への投 票 〜

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[128171] ソーリー

詩人:甘味亭 真朱麻呂


名前も知らない人にはじめて恋をしたんだよ
人の素性を調べるのは仕事柄プロ級さ
単調なリズムを刻む時計の音がカチカチと命を今日も削る
ただどこまでも君のこと見ていられるだけでよかったのに

なぜかわがままな片思いは見てるだけじゃ
収まらずに
とうとう打ち明けたくなったんだ いきなりじゃ驚くかな

僕が君を知らないように
君ももちろん僕のこと知らないから
いきなりじゃ失礼かなあ
見ていたことは少し伏せておこうかな

大げさなくらい愛していた 僕だけは
僕だけが1人で悲しいくらいドキドキしてた
この思いはどきまぎしちゃって目の前の扉を開けもせずに

かんたんに終わらせられる恋ならよかった
ライバルや恋敵がでてくりゃすぐにあきらめられたのに
いつものようにね
だけどいつもとは違う
君一人だけの部屋で君はいつもなにしてんだろうか
僕は気になるけど
それ以上はプライバシーの領域さ

知らず知らずのあいだに君に恋をしてた僕は広い目で君のすべてを知ろうとした この顔のせいで変な人に間違えられても
君に抱く思いを消すことはできなかった

どうもソーリー
ほんとソーリー
まずはソーリー

話はそれからでも
良いかい?
勘違いなんだってこと言わなくちゃ
悲しくも真実を伝えるすべはなくて
目の前の現実を見て判断するしかない世界
人間も不便なんだよな
なんてため息をつくほおに吹く風は嫌みなくらいやさしすぎるんだ

顔までは変えられなかった僕を許せ
恋心よ やっぱりソーリー
ちゃっかり謝ったり
路地裏で涼みながら僕は探偵みたいに君を知りすぎた

嘘か真かわからないはびこる情報網に惑わされてしどろもどろさ
君の秘密は知らなかった方が幸せだったのかな

それも今じゃ定かじゃない 今さら謝っても仕方ないけどそうするしかない。

2008/06/22 (Sun)
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