|
詩人:甘味亭 真朱麻呂
幸せを注ぐはずのグラスにはなぜか
なみなみと注がれた悲しみが今にもこぼれそう
なくしたやさしさは少しの振動で揺れてしまう
だから悲しみがあふれすぎたのかな
いつでもなろうと思えば悪魔にも天使にもなれた僕をゆるしてほしい いや、ゆるさないで
矛盾してばかりで心の糸が絡まる 知恵の輪みたいに見た目解けそうで解けないこの難解さ
ちぐはぐなる関係も現実事情も
おごそかに
なめらかに
心の糸を手繰り寄せて今 笑おう
やっぱり ちゃっかり
世界は隠れたとこで僕らをあざ笑ってた
君じゃないとだめな理由はそれほど
特別視はされないけど
でも、ねきっとその理由はふかすぎて
今の僕にはわからない
君だって同じだろう
その筈なんだ
風が舌足らずな僕を笑ってる
叶えきれなかった夢も僕を小馬鹿にする
指でつまんだ小さなかざぐるまが回るように
くるくる くるくるくるくる 風もないのにため息で回る 君に似て危なげで情けない音で
回るよ 回るメリーゴーランドみたいに白馬はうなりながら空に消える
銀河を思い浮かべても星座の名前を何ひとつ知らない僕はだれとも話がまるで合わない
答えられない事ばかりしてきた
君にも今さっき叱られたばかりさ
でも、
わかってほしいんだ
僕には君がすべてだということを
ああ、
わかっててほしいよ 僕には君しかいないってことを
弱いだけで 孤独なヤツで なんのやくにも立たない能なしだけど
だれよりも寂しい目をした
僕をなぐさめて 君しかいないその役は
つれない人は今日も付き合わない
『飲みに行く?』というのもおっくうだから
目が覚めればふたたび現実に戻るだけ
変わらない現実があるだけさ
昨日は楽しかった…同僚の声
ああ、それはよかったね 皿の中の豆を箸でつまんで別の皿にひたすら移し替える日々。