詩人:どるとる
あなたは1日に何回笑っていますか?
そのうちの何回が本当の笑顔ですか?
嘘をつかずにどうかお答えください
愛想笑いを咲かせた顔はまるで踏み荒らされた畑のように
痛々しい顔だったよ
でも思いのほか大人たちには好評だった
どうやら現代社会では どれだけ自分を隠せるかが大事らしいなあ
素直な気持ちを隠して ごまかし続けて
僕は楽しくもないのに笑って
こんなにおかしなことはない 常識が軒を連ねるこの世界で
まかり通ってるのは
常識という名を借りた非常識ばかりじゃないか
都合のいいことばかり言って結局は長いものに巻かれていればそれでいいんですか? ねえ?ねえ?先生教えてよ
僕らは激しくたたきつけるような時代の雨に打たれて
社会にあらがうように誰もが恐れおののく向かい風の中追い風みたいな古ぼけた歌歌い続ける今はなき死語で書き綴るシンガー
僕の声は誰にも届かない 価値のない歌だけど精一杯魂込めたから
無駄なものは省いた必要最低限の本心を述べよう
速度を落とし気を抜いて止まればたちまち押し戻される時代の風に吹かれて
今日も喉を鳴らして
社会に真っ向から逆らうような破天荒なメロディー
奏でて 奏でて
僕らは青春という名を借りた 迷路から脱出するまでの日々を不安で身をふるわしながら生きるのさ
流行り廃りがめまぐるしく 常に新しいものが時代を先駆する時代の風に吹かれて
何が大切なのか見失いそうになりながらも 流れゆく季節を旅する時代の風に乗って
吹き荒れる情報網にかかった現代人の冷酷な視線が突き刺さる
あなたも同じような気持ちでこの風に吹かれていますか?
今日のあなたは笑ってるの?
それとも泣いていたの?
同じようで違う風に誰もが吹かれて
誰のせいでもなく
なんのせいでもなく
僕やあなたは
生まれて
今日も明日も生きる
秩序が嫌みなほど煌めく世界で。