詩人:ジョーブ
運ばれる魂に瞳を奪われる様な、初めて見た深夜行路で、
1つ1つが泣き叫ぶ声を出して、私は眉間にシワをよせている。ここは夜なのか、
声を聞き、しばらくすると耐えきれない気持ちが目を閉じ耳をふさぐ行為となるが、なんだろうこの心にくる苦痛に、目や耳をふさぐ意味がない。
ここは淡色の無数の顔が左右に飛来(ひらい)していた。
出口はどこなんだろか、見たくもない聞きたくもない、無数の淡色の顔の数ははかりしれない。
悲しみと苦しみがまじる深夜行路だ。
悲しみと苦しみの顔がこれなんだろうと私は立ちすくむが、足がない。
胴体から下がないんだ、動きだせないでいると、どんどん苦痛が心にしみる。
この暗闇の世界には、淡色の顔の数だけ色がある、灯籠(とうろ)じゃない。
心の奥底で一歩前へ行き、歩き出したいんだ。今を、一歩一歩でいいんだ。
助けてくれ、息苦しい場所だ。