詩人:どるとる
いろんなことがあったけど 今日も何事もなく 窓の外の夕日を眺めてる
オレンジ色の空が少しずつ 夕闇にのまれてゆくのを眺めてる
少し悲しくなる
涙でにじむ
切なくなる
言わなくても
わかるほど一日は
あっという間すぎて
気づけば日が暮れる
五時のチャイムが流れたら 公園で遊んでる子供たちも
家に向かって
帰って行くね
友達に手を振って
なんとなくその道中
空見上げたら
もう夕闇がそこまで
近づいてきている
季節の色をした
夕暮れが見えたのさ
冬は冬で
夏は夏で
違う顔をしたどれもきれいな夕暮れ
きっと何より 大切なのは 寄り道せずまっすぐ家に帰ること
親に心配させないようにしましょうね ただいまって小さくてもいいから 無事をしらせましょう
泥だらけの遊び疲れたあとの君の笑顔がまぶしく輝いてる
子供時代の思い出の中にはいつもなぜか夕暮れが欠かせないね
弧を描いて 僕の胸に届く あの頃の僕が投げるへたくそな一球
それは今は忘れかけた 本当の笑顔
きっと何より 大切なものはお金では買えない かけがえのない思い出だったりするんだ
例えばあの頃 遊び場から家に帰るたび見ていた 涙が出るくらいきれいな夕暮れの赤い色 思い出の色
忘れかけた気持ちが何十年という時をこえて 僕の心の中によみがえるなんて
僕から教えてもらったよ
そうだ大切なことは 夕暮れが教えてくれていたね
本当の幸せは
いつも何気ないようでちゃんとそばにあるんだね
夜が明けて
朝が訪れるように
それはごく当たり前な日常に咲いている花
今日は、少しだけ
寄り道して
坂道の上から
夕暮れを眺めてる
この切なさが幸せという花が咲いている証になればいい
さよならなんて
言わないで
また会おうって
言葉で今日を終えよう
夜になったら僕は本の表紙を閉じるように まぶた閉じる
明日に幸せを祈って。