詩人:如月。
そんな季節
彼女は
赤ちゃんソックス
編んでいた
しかし
いつまでも
大きくはならない
つまり赤ん坊は
彼女の身に存在しては
いなかった
月夜に星少なくとも
澄んで光って
彼は文学パラサイト的な
季節に
多大な情報と文学との混乱のなか
彼女と文学的アパートに住んでは
彼女は 整理整頓するかのよに
一言短くまとめた
そしてそれは文学賞までレベルアップし
彼女の才能は高台に在り
そして彼女にとって
興味も関心も無い世界だった
周囲は彼女を讃えた
そして彼女は
生まれると
周囲に伝えるかのように
いつまでも
生まれはしない事実に
やっと気づいた
彼女は彼を問い詰めた
生まれない
生まれないよ
生まれて来ない
文学パラサイト的な彼は
彼女が文学的才能が在ることは知っていたが
その気持ちには気付いていなかった知りながら
みな彼女の一行から
次の行詠み
ぎょっとさえした
これが事実ならと
しかし事実は
彼女から生まれて来ることは無かった
生まれた後を記している
その喜びに
悲しみは無く
幸福を
彼女は消えた
地球の何処かに迎い
新たな世界に
住んでる
あの頃の
青と夜の空の気
遺して
あの文学パラサイト的なアパートには
もう誰も住んではいない