詩人:甘味亭 真朱麻呂
いくつもの奇跡を人は生まれてから死ぬまでどれだけ感じるのかな
でも人生で一番最大の奇跡はもう感じてる
きっと生まれた誰もが
だって生まれたこと自体がもう奇跡なんだから
だから僕らひとりひとりが奇跡の申し子
完治(なお)らない傷を抱えて生まれてきた人も
迷い悩みそして苦しみながらそれぞれがそれぞれに胸に隠した黒い不安の塊を背負い生きてる
どんなに濃く強く書いた文字もやがて時が経てばそれに逆らえずに色あせてゆく
命も同じなんだ
隣り合う運命のままに進むのみ
輝きはしないけど精いっぱいまたたく光
まばたきのようなはかなさに心の揺れはおさまらない
生まれるときもさよならするときも同じでそれは奇跡なんだよ
大げさな位大きな命の花を世界に咲かせよう
現実は起こるべくして起こることしか起きないと誰もがいうけど
奇跡をちょっとだけ信じてみても悪くはないとも思う僕のこの気持ちは心に七色の虹をつくる
優しい人になれるための最短ルート
そうしていつか消え去るときが時計の針を重なってもそのすれすれの時間まで僕は思うんだ
生まれてきてほんとに良かったと
そこではじめて思いたい
消え去るために生まれたんじゃなく
たとえ消え去る運命が仕方ない事だとしても涙には変えないさ
とびきりの笑顔で別れたい
わけなんて空に蹴り飛ばせ
誰にも探せないところへ
青空に混ざって見分けがつかない僕の水色な気持ち
それこそが一瞬の奇跡
それはきっと永遠の奇跡
生まれた証に生きていた証に
終わりの日に記録しよう
この世界のどこかに寄せ書き書くように
地味でも簡単に消えてもかまわないんだ
風にかき消されてもその事実が残ればいい
薄っぺらい少しだけの人生だけど永遠なんかよりずっとその内容はどれだけページを使っても足りない程記したい事がありすぎる。