詩人:甘味亭 真朱麻呂
ガシャポン人生
僕らの人生は
ガシャポン人生
いわば賭け勝負さ
なにが出てくるか
出てくるまでは
わからない
検討さえつかない
判断基準もくそもない
だから人生は
いつも大勝負さ
今日は今日で今日のガシャポンをひねる
レバーをひねっている瞬間 そしてひねり終わった瞬間
冷や冷やするぜ
高鳴れ鼓動 ドキドキ
心臓が破裂するくらいに
跳ねまわれ リズム
ポップなメロディー
ガシャポンの球体型のケースをふたつに割れば
どんな今日だかお楽しみがお楽しみじゃなくなるまで堪能せよ
人々よ
明かされる見えなかったけど今見えた真実の裏側
理想の向こう側
期待の向かい側
それがガシャポン人生
繰り返される日常
繰り返してゆく賭けの連続 持ちコインがなくなるなんて事はないから
大損もないし自分が追い込まれるスリルはあまりないけど
安全すぎるぜ
もう四十になる愛を誓ったバニーガールは未だおしりふりふり
僕を悩殺してるつもりなのか
効果はないけど
伝えるのも億劫だ
若いときはもっとおしとやかだったくせに
ガール!
とにかく今日もガシャポンをやるのさ
駄菓子屋の前 一時に集合
帰りの早い小学生だけに許された自由な時間
懐かしがりながら
思い出してた 数年前の僕
そしてその頃の日々
開け放された自由
そして今ある孤独は
蓄積されたストレスに匹敵するほど
僕を苦しめてく
僕を苦しめてく
僕を苦しめてく
ガシャポン 今はやらないから
ただ ガシャポン
やってみようかな
勇気出して笑われても
とくに大人っぽいやつ
見張りみたいにいつもいる駄菓子屋のばあちゃんは無視してひねるよ 少し汗ばんだレバーを一ひねり
隠れフィギュアは当たるかな
シークレットは当たるかな
夢中になっている僕は大人。