詩人:望月 ゆき
やがて来る、終わり、に向かって
ぼくたちはひた走る
ともすると
くずれて、皮膚さえも通り抜けてしまいそうな
微粒子たち、
さらら、さらら、な
透明、な
前ばかり見ていたら
追いかけてくる、次の瞬間、に
気づかず
のみこまれた、夏
たわむれ、さえも
シャーベットの
ひとさじ
だって、
ふりかえらない、
って、約束
小指の先でずっと
響いてた、から
やがて来る、終わり、は
今、どこまで
それを知ってか知らずか
ぼくたちはひた走る、
走る、走る、
走る、
走る、
どう走ったか、だろ
たぶん
たいせつなこと、は
だってそれは、終わる、のだし
だってそれは、やがて来る、のだから
もう、ぼくは
その場所、がどこでもいいんだよ