詩人:甘味亭 真朱麻呂
心恋われるような
心壊れるような
心乞われるような
ときめきに
君から
ときには
僕のほうから
送る歌
アイラブュー
アイニードュー
へたくそでまだ愛を知らない不器用な
幼いメロディー
どうやらばればれなようだ 年上の大人の女性だからか
心恋われるような
心壊れるような
心乞われるような
恋をしてしまった
愛に魅了されてしまった
君に夢中になった
同じ方角に行きたくなった
僕が行こうと思っていた道を途中で出戻り
君についていったら
そこはなんだか知らない世界 僕には未知すぎて 頭が混乱する
すべてが渾然一体になることは出来なくても
はなれたとこから愛を送れる遠距離恋愛ファクシミリ
届け 数千ページにも渡る紙の隅々隙間なく書かれた思い
届け 祈りを込めた紙の数以上に多い何億文字にも渡って書かれたこの世で一番あつくるしくて保存しづらい邪魔くさいラブレター
でもそのくらい愛してるんだ
断るわ 気持ちだけで十分だなんて
君からたった一枚気持ちを伝えるだけに使うのは
電話越しのたった一言の愛してる それだけでなによりの励ましになるって
そっちのほうがずっとうれしいわっていう君は本当にうれしそうな声で話すから
ばかばかしくなって笑い声が向こうにいる君にだだ漏れさ
恋愛ファクシミリ
壊してしまおう
恋愛ファクシミリ
粉々にするんだ
形のないイメージが生み出した
僕の妄想機械
しつこすぎる恋とわかった
君は優しいから怒りはしなかったけど
直感でいやだとわかったから
壊したんだよ すべてのラブレターも
ビリビリに引き裂くことなく
心の中の焼却炉で一挙に燃やして
イメージだから一瞬で消える 消えるのも早く
頼りにしてたファクシミリ
サヨウナラ ファクシミリ。