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[129411] 眠れる野心 静かなる獣

詩人:甘味亭 真朱麻呂

流れる星々が僕らを静かに呼んでいる
広がる空の向こうにある人々が夢見る数だけある目ではとらえきれない確かなロマン
綺麗なものはなぜか手に出来ないものが多くて時にいらだつ僕ら
その感触さえわからないものもある
他人にはたかがといわれるものでもその人にとっては人生で一番大切な宝物かもしれないんだ
だからたやすくばかに出来ない
どんな宝石よりも高く価値すらつけられないほどで
どんなに金をつぎ込まれても払えない額をも軽く跳ね上がるくらい 値段などつけられないのさ
命もかけられるほどだ

果てしなくどこまでもウタよ 響いてゆけ
想像の彼方へ
旅をするように終わりのない旅は続く 動けない僕の代わりになって想像は創られた借り物のからだを使って夢の中長い長い旅をする
それが人生さ

暗闇にひときわ輝く月さえかなわぬ光

愛は瞬く星より強くまばゆく輝いている
今夜も静かに寝息を立てる 夜の女王は

眠れる野心と僕をやさしく愛でる静かなる獣
星座の中に答を探してはああでもないこうでもないを繰り返す事こそ常
悩みなき迷いなき世界など愚かすぎてつまらなすぎて退屈もそこまでいくと
早々とした死の臭いすら立ちこめる

夜が包む霧深い世界で僕は思った
嫌なことがあるからその後の喜びはより引き立つと
絶望の闇があるから目を開けた希望の光に感謝できると心から思った

君から教わった

世界は魔物を生み出しそしてその魔物を沈める猛獣使いを生み出した
すべてはそうやって何かが何かのひとりよがりをおさえ必ずどこかで歯止めをかけられる回避策やダストシュートがあるから
それがたとえば喜びと悲しみだとしたら合点がいくだろう

それも君から教わった

眠れる野心は努力を捧げ物として夢を叶えようとする清き心 そしてその努力はやがて静かなる獣が食べ夢に変えてくれると君は語る。

2008/07/19 (Sat)
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