詩人:樂水楼
駅、それは、出会いと別れの交錯する場所・・・
秋の夕暮れ
プラットホームには、
肩を寄せ合う二人の姿
木々の間から差し込む
軟らかな光は二人を包み
風は、深まり往く秋の調べを奏でる・・・
やがて汽笛と共に定刻通りにホームへと到着する列車の姿・・・
ふと目を移すと二人は、一時の別れを惜しむように互いの温もりを確かめて居る・・・
長年、連れ添った懐中時計は、発車の時刻を告げ報せる・・・
私は、切なさと寂寥の想いを隠すように制帽を深く被りカンテラを高々と挙げ運転手へと発車を促す・・・
オレンジ色に染まるホームに残ったのは、過ぎ去りし刻を惜しむように残る汽笛の音・・・
二人の居たベンチには、但、一雫の涙が全てを語って居た・・・