詩人:ハト
何度も何度も齟嚼して
刷り潰して刷り潰して
私自身の唾液と混ぜて
ごくりと飲み込んで
顎が痛くて
動かなくなる
ギリギリまで
何度も何度も齟嚼して
そうして自分の
血肉としても
それは当たり前のこととなり
軽々しく
弱肉強食を唱う輩
そんなやつは
自分も食われてしまえばいい
食われる後ろから
仕方ないさと言ってやるよ
強さとは何で決まるのだ
足の早さか
体の丈夫さか
遺伝子の配列か
犠牲にして
犠牲になり
そうして生きているんだろ
陳腐な言葉で
片付けるなよ
想像以上に
私達は生きているんだ
胸を張れよ
命を見ろよ
齟嚼しろ
そして飲み込め
それが命だ
もっとよく見ろ