詩人:甘味亭 真朱麻呂
あの日君と行った遊園地で
最後に乗った観覧車
この場所に来るといつも決まって乗るんだ
ワザと日が落ちるのを待って
夜景を眺めながら
僕は毎度のように
ゴンドラに乗り込む
何故だか
あの日の君は
悲しい目をしていた
君の横顔が小さな灯りの中で揺れていた
帰り道助手席で君は疲れはててぐっすり夢の中
自分でもわかってたんだろう
この先長くはないと
隠してても
なんとなくわかってたんだろう
1ヶ月でも半月でも
君といられるのは残り少ないから
君の好きなことをやらせてあげたい
それ以外僕にはなにもできないから
それくらいはやらせてください
君の恋人であった証に
あの日の君を忘れないよ
一周だけのゆっくり流れた時間
一周だけだけど
今でもくまなく思い出せる
最期の観覧車。