詩人:aria
君とあたしの間に
Heineken一本
はしゃいで持ち出した
本日の戦利品さ
暗緑色の瓶を
コートの下に隠して
「寒い」と苦笑する君を
笑いながら走った
繁華街は
駆け抜ける分には綺麗よ
ピンヒールで出せるだけのスピードを
走馬灯くらいなら
振り返る過去も痛くない
何となく
大げさにおどけてみた夜
気付けば
ビールが苦手な二人
また響く
笑い声二つ分
この街は
始発のアラームで
起きだすから
それまでに
笑い過ぎた理由を教えてね
炭酸ガスは
とうに抜けてしまった
未だ
あたしと君の間には
飲みきれない
Heineken一本