詩人:咲麻
突然やって来た眠れない夜を
どうやって過ごそうか
あまりにも突然
久し振り過ぎてわからない
「やあ、お久し振りだね」
なんて戯けてみたって
返事なんてしてくれないし
「それじゃあ、またね」なんて去ってはくれない
こんな夜
どうやって時間を潰してた?
何をして、寂しさを埋めてた?
何もしない
何も出来ない
為す術がない
頭の中で
誰かの声が谺する
色んな人の声が
それも引っ切り無しに
堅く目を瞑ろうか
両手で耳を塞ごうか
毛布に包まって
何かに掴まらない様に
隠れましょうか
心落ち着かせようと
吐き出した煙は目に染みた
大丈夫
涙は布に吸収されて
すぐに乾いてしまうから
あと少し、もう少し
鳥が鳴く
日が昇る
朝になる
外は雨、きっと晴れない。