詩人:八朔
3、世界の果て
とうにせかいはしろく
わたしはただぼたんをおすもの
無機質に
平仮名を心で繰り返す
そうじゃないと
こんな倫理的じゃないことはできない
泣き声を聞いたり
叫び声を聞いたり
そういうために大人になったのか、
と、問い掛ける少年の視線を打ち消したり
針で
全身を指されて
それに耐えるには
世界にも
自分にも
他人にも
感情にも
執着しないのがコツ
今日も
誰かを殺すボタンを押す
「誰か」は善人じゃない
それはわかってる
「誰か」は、
「誰か」を殺した人だから
いつ俺は
ボタンを押してもらえるのだろう
螺旋階段みたいな
ここから
早く、早く
死なないと
悲しくなってしまうよ
不感症なまま
消えてしまえばいい
裁く人がいるなら
そこはきっと天国だ