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[179306] 弥生の風(妻木晩田遺跡)

詩人:中村真生子


海からの風と

山からの風が交わる

小高い森の中に

弥生の村あり。

木のうろのような家に住み

神や祖先を崇め

300年ほどそこで暮らす。

ところがどういうわけか

彼はそこを去り

村は森へと還っていった。

そして今

1700年の眠りから目を覚ます。

小高い村に佇めば

弧を描いて海が広がり

その先には隠岐の島。

海が大陸へと続く道であった

古人の暮らしを垣間見る。

海からの風と

山からの風が交わる

小高い森の中に

弥生の村あり。

風に混じって聞こえてくるのは

脈々と受け継がれてきた

いのちの鼓動。



2012/11/01 (Thu)
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