詩人:遥 カズナ
人生に
早送りのスイッチがあったとして
いつでも押せたとして
いつ押すのか
週末の休みの日迄の辛抱だと
仕事に喘ぐ日々
喘ぐくらいなら
早送り
望んで選んだ仕事ではなかったのか
馬鹿みたいなリプレイの押し問答
損なのか得なのか
笑われたいのか
笑えないのか
早送り
場面場面の
かくれんぼ
決して人生に巻き戻しは
妄想以外にはありえない
もう無理
早送り
母ちゃん
貴方が俺を産む苦しみの時
早送りできたらな
良かったのに
早送り
いつか来る
死ぬ間際の苦痛の絶頂すら
早送り
どうしてだか
それくらいなら
レコード盤に針を静かに乗せる
早送り
できないように