詩人:高級スプーン似
最愛の人が死んだ
ただそれだけなのに
悲しくなるのは
なぜだろうと
疑問に思う
ぼくは少数派
涙も出ない
血も涙もない人間だと
非難され
哀しげな視線で
送られるのは
なぜだろう
永遠の別れ
もう会えない
そんなことはない
死んでも
きみはそこにいたし
今だって骨
きみはここにいるし
目や頭や耳や
乳房やお尻
心臓を失っても
最愛は消えない
果てない
なくならない
時が流れて
どれだけきみを
失っても
どれだけきみを
失い続けても
最愛は消えない
涙は流れない
だって
きみはここにいる
ぼくと一緒に
いつまでも
いるんだ
そうだろう?
だから
涙は流さない
想い
寄り添い
いつまでも
いつまでも
きみと
いるんだ
涙なんか
いらないよ