詩人:まとりょ〜鹿
このままじゃ生態系バランスが崩れると科学者が言った
貴方は今どこで何をしていますか?
私は何故だか最近滅してしまうのでは無いかと
暗闇の底でひっそり怯えて暮らしています。
空気が大分乾燥してきたから風邪などが心配ですが、私は平気です。
なんだかここで貴方から沢山の栄養をもらえたような気がしたから。
貴方も同じようにシャキっとしたよって言ってくれたのは私冥利につきますよ。
世の中には普通のタイプの者とそうで無い者が居るから
変に巻き込まれたり、介入したりは良くないだなんて
みんな遠巻きに倦厭してる事でも私は私ですから
ただこの仕事を全うしていられたら幸せなんですよ?
涙なんて貴方には似合いません、
さて、私が搾り取ってあげましょう。
ウジウジしてるのもいけません
さぁ、私が搾り取ってしまいましょう。
筒状の家の中、パリっと背筋を伸ばして直立し、
黒いコートに身を包んだ貴方が羨ましい。
どうせ湿っぽくなっちゃうんなら
出たって意味が無いとか
私、それを言われたら悲しくって
身体とっても重くなっちゃいますよ?
限られた時間しか居られないのなら
全てを全うして、身体が重くなって底に沈んで…
あとは主が私に気付いて捨ててしまうだけ…
貴方は長いモノに巻かれるだけと明るい世界に
旅立ってしまいましたが、立派に巻かれましたか?
調和してしんなりしてる貴方もきっと素敵でしょう。
私なんて…ほら、白くってこんなに小さいのですから
誤って食べちゃわないで下さいね?
枯渇して枯渇して吸収して重くなって…
何がしたかったんでしょうかね?私って
このままじゃ生態系バランスが崩れると科学者が言った
でも私はシリカゲル。あまり関係の無いお話ですね。