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[129511] 永遠の代わりに

詩人:甘味亭 真朱麻呂


いくら考えても願った憶えなどないのに
何故か生まれた僕だけど
生まれて"しまった"とは思わないんだよ

いくつ夜を数え
いくつ朝を迎え
いくつ闇を光に変えて
いくつ星に願い
いくつ歳を重ね
いくつ強さ勇気にする

今から何十年経ってもたとえ何百年生きられたとしたって
今日と全く同じ事繰り返してるような気がしてる
永久の命がある世界ならそれはそれでたぶん人は世の中の事知りつくしてしまい退屈すぎて永遠の命と時間を憎むからさ
人にとっては知識とは欲望の次に人の情緒を安定させる麻薬みたいなものだよ

だから今の世界がいちばん 理にかなってて正しいのさ
神様の決断は間違いじゃないんだ 今までさんざんコケにしてたけど
この世から消えるあかつきには神様の通信簿にはなまるを書くんだ

神様よ すまない
僕を許してください
見返りなど もう
なにも求めないから

なにかを欲しがりすぎて
そのなにかが永遠だとしてもその中で感じる苦悩は無限って事だ
死ぬことさえ出来なかったら生きたくなかった他人にははた迷惑だろう
生きたいって人ばかりじゃないはずだから
永遠の時間の中だったって

同じだし

痛みだってかならず いつかは長くも短い夢から目覚めるように意識がなければ一瞬ですぎてしまう時間と同じようになくなる喜び感じてたいもの

永遠が無くてよかったんだ
永遠じゃ無くてよかったんだ

ほんとによかったんだろうか
ほんとによかったんだよね

ああ 聞いてるかい?
天の神様のいうとおり
この指とまれ 大好きな人の手

仲間に入れて
家族っていうぬくもりの中へ
体内のような
血の流れみたいに温かい夢の中へ

僕も入れて

永遠などもういらないから

お代わりしたいのは山盛りのご飯でもなくありふれた幸せが続くただ同然の日々さ。

2008/07/21 (Mon)
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