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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 「人生という本の読者」への投 票 〜


[129514] 人生という本の読者

詩人:甘味亭 真朱麻呂


人生という本の読者は口を開けば愚痴ばっかり 野次の嵐
それは僕自身だよ
人生だめにするのもそれを読んでワガママ言うのも
自分の思い、勝手さ

それぞれがそれぞれの描く世界を読む世界
でも、忘れないで
いつでもそれを書いているのは自分自身だって事
だから後になって悔やむのも仕方ないんだよ 自分のせいなんだからなあ

北北西の空から
夕闇が迫る日
西南西の雲はもう
たれ込めている
もうすぐ雨でも降ってきそうな予感だ
真っ裸の心を映し出す
描けばそれは確かに現実になるけれど
出来ることはどうせ限られてる
どうせ どうせで過ぎてく他愛もないほど安上がりな日々

回りくどいくらい
遠回しにいうやさしいだけの言葉
今僕は砕けるほど
抱きしめて 抱きしめて 光と戯れる
あそこにいるはずの君と恋を始めていった物語は終盤になること名残惜しむようにまごまごしてた
まるで今ではそれも遥か過去の話
そこは恥ずかしさのたまり場さ

海を広げ 道を開き
人はいつから違う異性の人と愛を歌うようになったかを問う理由は果てしなくたかがこの世界の駒である僕には口にすることさえおこがましい疑問さ

育みあった世界が僕に光をさしだす
養分を送り込めるように
日当たりのいい部屋と窓辺を選んで
太陽は待ってたようにそこにさすだろう
青みがかった食べかけの熟したトマトのようなおさがりとして僕に回ってきたつぎはぎだらけのリサイクルショップの人気がなくて売れないコーナーのカゴの中のCDみたいな置き去りにされた日々
入れる穴をひたすら幻と皮肉りながら手探りに探す
ボタンの取れたかった無駄に厚手のトレンチコートの乾き加減と似たようなものさ
タグ付きの出逢いなんてもう始まらなくていい

片隅のまた片隅で唄う
大好きだから僕のこの声をどこかで気づいたら拾っておくれ。

2008/07/21 (Mon)
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