詩人:望月 ゆき
気づかれないように
水面を そそ、と
歩いていたのに
さっき拾った
オシロイバナのたね、を
うっかり落としてしまった
ひろがる波紋
幾重もの水輪の先、に
あなた
つながる、
つながる、
さしだされた
その手、さえ
月のカケラ
もどかしさにも 似て
声、をください
言葉、をください
嘆き、をください
叱責なら なおさら
音、を
音、を
つたわる、
つたわる、
空から空、へ
街から街、へ
木から木、へ
人から人、へ
骨から骨、へ
ふるえる、
ふるえる、
わたしは あなたに 響いてますか。
2004/09/12 (Sun)