詩人：甘味亭 真朱麻呂

思い出話を肴にしてあの頃の懐かしい日々にひたろう

願わなくても願っても時間は自動的に過ぎていく
そして僕らは日を追う数だけ歳を重ねやがてさよならだ
だからいつかお陀仏するまえに語っておきたい事がある

みんなで話そうじゃないか 今夜は夜通しつき合え
消えないように消さないようにあたためてた思い出を吐き出してしまおう ぜんぶ

せつない思いだけど
少し大人になれた
それだけで僕らはきっとえらいのだろう

ただ日々を繰り返すだけで終わる命だね どの命でも
始まりさえ気づかない間に始まりやさしすぎた自分への心遣いがやがて大きな痛みへと変わるまで

それでも泣かないで
それでもへたり込まずに
明日をみつめて僕は歩いてゆくよ
きっと歩いていけばその先には見えるんだ
果てしない後悔ばかりの日々をもかき消す
夢が叶う日
たくさんの努力が報われる日がまばゆい光に包まれた僕を未来はそっとなめらかな思い出たちの両手を握らすんだ

もう二度と忘れることのないように
もう二度と記憶から突き放さなくていいように

すべてが 今 輝いて
僕を抱きしめるだろう
全てに 今 微笑んで
僕は抱きしめ返すんだ

僕が消えると同時に消えてしまう僕と同じはかない命を持つ思い出たちを記憶の中にとどめたら

また僕は新しい大人への旅に出掛けるんだ
昨日よりもまた１つ大人になってくよ
もしかしたらなれてないのかもしれないけど

ため息は風に流して
涙を強さに変えたなら
僕はもう戻る事のできない 最初で最後の一歩を踏み続ける
また今日も その一歩が踏み出せばまたこの道も永遠となる

永久へと続く
闇へもつながる
光へと解き放つ
すべてが繋がる
瞬間の煌めき

それは命が最も綺麗に見えるたった一度の始まりの日の光

僕の命が放つ光。