詩人:遥 カズナ
何かに
驚いた時も
驚いたようなふりを
して
見せているように
感じてしまう
「洗濯機から変な音がするの」
「もう、買い替え時だよ」
「子供達の塾の授業料もあるのに?」
メガネのレンズを拭く
そして
掛け直す
アイスクリーム
昨日買ったそれを
冷凍庫から取り出し
舐め回す
船酔いを知らない人に囲まれた
船酔いみたいに
辛い
飼い猫が
何かをせがむように
足に身体を擦りつけていく
後悔と航海
理由の所在を思い巡らせる
いたたまれない衝動
登校と投降
音楽室のメトロノーム
誰にも怯えず
驚いてみたい
2020/04/22 (Wed)