詩人:甘味亭 真朱麻呂
ばかにされても
誰かに笑われても
僕は気づいたんだ
君が好きなんだと
心の底に沈んだ鉛が日を重ねるごとに重さを増してきて
心がもう重たすぎて耐えきるだけでも精いっぱいでヤバい
今 君を好きって僕がいったところで
君にはもう別の人しか見えてないから
どうしようかと考える前にいえないのに
なぜかいいたくて
それでもいいたくて
無駄も承知で打ち明けた春に当然みたいに散った恋の花びら
あんなに綺麗だったのに
ばからしいだろ
おかしいだろう
笑えばいいさ
だけれど今でも
あの人を忘れられず
心の中を影だけがさまよっています
今 ここに綴る
刹那に過ぎた日々の向こうに見える
すれ違うふたり
友達にさえなれずにいたふたり 僕だけがひとりぼっち
初恋綴り
途中にはさんだしおりを抜き取るよ
これでもうなにもかも白紙さ 記憶の中から消したよ
花火が夜空にあがるみたいな初恋
はじめだけ景気のいいにぎわいを見せておきながら
さよならの時ははかない線香花火みたいに早々散ってく
終わりをつれてくる
それが僕の最初で一番つらい恋の話
それは僕が忘れてしまいたかった記憶
振り返ればまた夏の気配がして
見上げればまた夜空に大輪が咲く
隣に寄り添う人もないけれど
ぬくもりが恋しくて探すフリしたけど臆病者の僕は周りだけ見てあきらめた
動きもしないで
この夏が終わるときには半纏もしまおう そして夏の思い出も過ぎゆった日々と同じように葬ろう
忘れましょう
そのフリでもかまわないから
神様よ いるならばどうか消してしまってください
つらいだけの夏の記憶
すべて跡形もなく花火と一緒に
夜空の闇にはじけて消えればいい
いない事なんてわかっていながらなんとなく祈ってみた
人気も無い神社の境内の隅。