詩人:どるとる
強がってばかりいる
狼はじつは見た目とは裏腹に弱虫
そんな僕の心の中にはいくつもの見えない傷跡があるんだよ
こんな僕にだって
誇りはあるからさ 馬鹿にされたら牙も剥くよ
こんな僕だけど
ふざけて生きてるわけじゃないことをただ誰かにわかってもらいたいだけ
優しい言葉で
嘘でもいいからさ
明けないはずの夜をこのへんで終わらせて
虚空を見つめる僕の瞳に時折映り込む君の顔は寂しそう
僕はたまらず泣いてしまいそうだ
強がってばかりもいられない
僕は弱い生き物だ
すぐに人生を放り出してあきらめることの速さなら誰にも負けやしないさ
そんなことなんの自慢にもなるはずもないけど 時々生きてることがなんだか悲しく思えてくるんだ
独りきりで幸せなはずの僕の毎日だったんだけどなんだかこの頃は風に吹かれている自分がとてもかわいそうに思えてさ
些細なことでも涙を流してしまうよ
涙が傷跡にしみて
大の大人だって
泣くときがあるんだよ
大人が泣いたらかっこわるいかい?
でも、泣かないほうがもうかっこわるいじゃないかい?
独りきりの旅だから
さびしいなんていっていられない筈なのにね
君の愛がないと立つことさえできないよ
本当はね独りじゃ何もできやしないんだ
狼なんていってるけど独りきりじゃただの子犬さ
涙を隠さないこと
むやみに強がらないこと
わかってるけど
独りきりになるたび
風に吹かれて黄昏て
狼はさびしさのあまり吠えてしまうんだよ
悲しいよって…。