詩人:甘味亭 真朱麻呂
浴衣が風に揺れて
ふたり笑いあう夏
なんて君は綺麗
髪をかきあげる夜
蛍が飛び交う庭
それと小さな金魚鉢
夏が終わらないうちに果てる命と知りながらも人は金魚をすくい残りの少ない命なのに狭い金魚鉢の中に閉じこめる
金魚だって川へゆきたいだろう
元気に自由に泳ぎたいだろう
そんな事さえ金魚たちには許されないのか
夏の匂い なんとなく嗅いでみる
それは懐かしい
出店の薫り
つややかな髪の色
それが花化粧
綺麗な色を付けた
花化粧さ
私の心
染める
花火の色
火薬の匂い
はじけて
夜空に散ってく
夏も通り過ぎる
今年も
夏は終わるんだな
はじまりなのになんだか悲しい夏のはじめ
初夏の気持ち
僕の気持ちさ。