詩人:甘味亭 真朱麻呂
モグラたたきゲームみたいだね
僕は日々
今日と明日を交互に出たり入ったり
今入った穴から次出る時はさっきとは違う世界
出たり入ったり
逆さまに落ちたり
穴は無数にあいてる
世界の中に
空腹過ぎる腹の中に
腹の虫が食い破った穴を埋める
アップリケもないんだ
どこまでも ただ
いつまでも ただ
僕は落ちて
僕は落ちてゆくよ
暗い夜の闇の中へ
まばゆい夜明けへも
僕は落ちて
僕は落ちてゆくさ
出たり入ったりして
繰り返す
最期の時まで
最期の穴に入るまで
墓の下
地面ほじくり返した穴に入るまで。